CIRCによる火山観測

 地球観測用小型赤外カメラ(CIRC/シルク)は火山の熱異常の検知、溶岩流や火砕流などの把握にも活用できます。CIRCによるアイスランドのバルダルブンガ火山および西之島の観測結果を紹介します。

CIRCによるアイスランド/バルダルブンガ火山の観測

図1はCIRCによって観測されたアイスランドのバルダルブンガ火山の画像です。撮影時間は現地時間で2014年9月11日の23時28分ごろです。画像の色は白、黄、赤、青、黒の順番で温度(輝度)が高いことを示しており、図の右上に細長く伸びた非常に高温の領域があることが分かります。

CIRCによるアイスランドのバルダルブンガ火山の画像

図1 CIRCによって撮影されたアイスランドのバルダルブンガ火山の画像(現地時間9/11 23時28分ごろ)

図2左は図1の右画像の白枠部の拡大図です。高温領域は溶岩流と推測されその長さは約16kmに達しています。図2右にはLandsat-8衛星のOLIセンサで2014年9月6日に取得された同地域のFalse color画像(赤はバンド6(短波長赤外)、緑はバンド5(近赤外)、青はバンド3(可視緑))を表示しています。OLIの画像とCIRCの高温領域を比較すると、5日間で溶岩流が北東方向へ広がったことが分かります。

バルダルブンガ火山の拡大図

図2 (左)図1右画像の白枠部分の拡大と(右)同領域を撮影したLandsat-8/OLIの画像。

CIRCによる西之島の観測

図3はCIRCにより2014年9月16日に観測された西ノ島の画像です。観測時刻は日本時間11時54分ごろです。CIRCの分解能(約200m)では島の詳細な形状を把握するのは困難ですが、高温の領域が中央部に見られることから、依然活動が活発であることが分かります。海上保安庁の8月26日の観測(海上保安庁web page)によると西之島の面積は1.21平方kmとなっています。

CIRCによる西之島の画像

図3 CIRCによって撮影された西之島の画像(日本時間9/16 11時54分ごろ)