CIRCによる御嶽山の観測

 地球観測用小型赤外カメラ(CIRC/シルク)による御嶽山の観測結果を示します。

CIRCによる御嶽山の観測

図1はCIRCによって観測された2014/10/1に観測された御嶽山の画像です。撮影時間は2014年10月1日の12時10分ごろです。画像の色は白、黄、赤、青、黒の順番で温度(輝度)が高いことを示しおり、青や黒の領域は雲を示しています。当日に撮影されたTerra衛星のMODISセンサの画像(図2)からも分かる通り、御嶽山の周辺には雲がかかっていましたが、雲の合間に周辺より温度の高い領域が見えるのが分かります。

CIRCによる御嶽山の画像

図1 CIRCによって撮影された御嶽山の画像(2014/10/1 12時10分ごろ)

Terra/MODISによる御嶽山の画像

図2 Terra衛星搭載のMODISセンサによって撮影された御嶽山の画像(2014/10/1 10時59分ごろ)(https://kuroshio.eorc.jaxa.jp/ADEOS/mod_nrt_new/index.htmlより)

図3(左)は図1の白枠部分の拡大図で図3(右)は2014年7月28日の深夜(23時10分)に撮影した同地域の画像を示しています。噴火前の画像では標高が高い御嶽山のような山は温度が低いため黒から青で表示されますが、噴火後の画像では火口付近に高温の領域ができていることが分かります。この領域は周辺の地表面に比べても10~20℃程度温度が高いと推測されます。図4は噴火前の9月23日9時40分頃に撮影した米国EO-1衛星搭載ALI(Advanced Land Imager、10m分解能)の同一地域の画像との比較を示しています。今後もJAXAではCIRCによる御嶽山の観測を継続して行っていく予定です。

図1白枠部の拡大図

図3 (左)図1の白枠部分の拡大と(右)2014年7月28日の深夜(23時10分)に同地域を撮影した画像。

EO-1可視画像との比較

図4 噴火前の9月23日9時40分頃に撮影した米国EO-1衛星搭載ALI(Advanced Land Imager、10m分解能)と図3(左)の比較。