CALET搭載 地球観測用小型赤外カメラ(Compact Infrared Camera:CIRC)の初画像について

地球観測用小型赤外カメラ(CIRC/シルク)は森林火災や火山、都市部のヒートアイランド現象の観測を目的とした赤外センサで、2014年5月24日打上げのALOS-2に引き続き、2015年8月19日打上げのCALETにも技術実証機器として搭載され、観測を開始しました。ALOS-2搭載CIRCと観測を組み合わせることで、観測頻度の向上や様々な時間帯での観測が可能となります。CALET搭載CIRCは2015年9月11日から機器健全性等を確認するための初期チェックアウトを行っており、その間に撮像されたCIRCの初画像を公開します。今後の校正検証期間において温度精度等の確認を行い、2016年3月ごろ一般へデータを公開する予定です。

 高エネルギー電子、ガンマ線観測装置(CALET)についてはこちらをご覧ください。

CALET搭載CIRCによる夜間の北海道の画像

図1はCALET搭載CIRCによって撮像された夜間の北海道の画像です。画像の色は黒、青、赤、黄色の順番で温度(輝度)が高いことを示しています。

CALET搭載CIRCによる夜間の北海道の画像(クリックで拡大)

図1:CALET搭載CIRCによって撮像された夜間の北海道の画像(日本時間2015年10月6日 18時25分頃 クリックで拡大)

陸地に比べて海面や湖等は、赤外線の放射率(物体の温度に対する赤外線放射の出しやすさ)が高いため、日本海とオホーツク海の輝度は高めになっています。また、海面にも海流等による温度分布がある事が分かります。特に、オホーツク海では沿岸と沖合で海面に温度差があり、その境界で渦を巻いている様子が分かります(図1右のA)。

陸地でも、北方から南方へ向かうにつれて、地表面温度が高くなるとともに、暑寒別岳など、標高の高い位置では地表面温度が低くなっている事が分かります(図1右のB)。逆に、道北の中心部に一点の輝度の高い部分があります(図1右のC)。これは23.73平方キロメートルに及ぶ日本最大の人造湖である朱鞠内湖です。